花粉症専用外来について

 

<はじめに>

スギ花粉症の舌下免疫療法として2014年10月から「シダトレン®」が保険適用となりました。
2018年6月末から錠剤の「シダキュア®」が保険適用となりました。シダトレンに変わりこちらが使用されています。
また、ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎の方に対して「ミティキュア®」が保険適用となっています。
これらの薬剤は、現在処方する医師が限定されていますが、当院では処方可能です
これまでの花粉症に対する免疫寛容療法では皮下注射で週に2回程度の通院が必要でした。また注射ですので毎回痛みが伴います。
しかしこの治療法は舌の下に薬液を塗布するのみですので痛みを伴わず、自宅で行うことが可能です。
と、ここまで書くと何ら問題の無い画期的な治療法に思えますが、いくつかの注意点(治療期間が長期にわたる,毎日の服用が必要etc…)があります。
下記の説明(長いです。短くまとめられずごめんなさい。)に加えて、シダトレンの会社のホームページをよくご覧になって治療を行うかどうかを検討して頂くようお願い致します。

<免疫寛容療法とは>

免疫寛容療法は、減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である"アレルゲン"(今回であればスギ花粉およびダニ)を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。
アレルギー症状を治す可能性のある治療法と考えられています。
アレルギー症状のある疾患のうち、花粉症の他には食物アレルギーなどに対してこの治療法が行われています。

<治療の対象となる方>

シダキュア、ミティキュアは5歳以上の方が対象となります。
 
下記に示す方は、治療を行うことができません。
花粉症・鼻炎の原因がスギ・ダニ以外の方(下記STEP1で血液検査を行い判定します)
・重症の気管支喘息の治療を行っている方
・毎日、自宅で服用するのが困難である方
・1年以内に転居の予定があり継続受診が困難である方
・妊娠および授乳中の方
・免疫抑制剤を内服中の方

<初診時に持参して頂くもの>

保険証
初診表こちらをクリックしていただくと印刷用のページに移動します。プリントアウトの上、来院前にご記入頂きますようお願いいたします。)
・他院でスギ・ダニ抗原の血液検査を既に行っている方はその結果が記載されている用紙

<治療の流れについて>

3つのSTEPで治療をすすめて参ります。
STEP1 初回診察・検査
STEP2 初回治療
STEP3 継続治療
 
STEP1 初回診察・検査
 舌下免疫療法に関しての説明(15〜20分程度)および、本当にスギ・ダニ花粉症かどうかの検査(血液検査)を行います。
 血液検査の結果は数日後に判明します。その後STEP2へ進みます。
 血液検査でスギ・ダニ抗原に陽性であることが既に判明している方は、検査は不要ですので同日にSTEP2を行うことも可能です。
 検査結果を忘れずにご持参ください。
 
STEP2 初回治療
 初回投与は当院の同じ階にある薬局で行います。
 内服を行い30分間経過して大きな副作用などが無いことを確認してその日の診療は終了となります。
 1週間後に再診(STEP3)となります。次回受診までは自宅で決められた量の内服を毎日行っていただきます。
 
STEP3 継続治療
 定期的に受診して頂き、経過に問題がないかどうかをみます。
 シダキュアは2019年4月までは2週間に1回の受診が必要となります。5月以降は1ヶ月に1回の頻度の受診回数になります。
 

<花粉症専用外来の時間帯について>

花粉症専用外来受付:平日の予防接種・乳幼児検診・慢性外来の時間帯(14:30-16:00)です。
 
上に示したSTEP1およびSTEP2は、一人一人に対しての説明および検査に時間を必要としますので、専用の時間帯で受付を行います。一般診療の時間帯では行いません。
また、シダキュア・シダトレンは安全性の確保のためスギ花粉が飛散している時期に新規治療を開始することはできません。ミティキュアは特に制限はありません。
STEP1およびSTEP2は例年6月〜11月末までとなります。12月以降で治療開始を希望される方は翌年の6月以降になります。
STEP3以降は診療時間内であればいつでも構いません。

<予約方法について>

・STEP1およびSTEP2は電話受付のみの対応となります。
・STEP3以降は診療時間内であればいつでも構いませんので、Pistaでの予約が可能となります。

<最後に>

長々とした説明を最後までご覧いただきありがとうございました。
・毎日服用が必要であること
・効果が出るまでは花粉症の症状(鼻閉・鼻汁など)を抑える薬も併用する必要があること
・全員に効果があるわけではないこと(70-80%の人に効果があると言われています)
・1年目ではなかなか効果がでてこないこと(少なくとも3年間の治療が必要であること)
など問題点はありますが、
これまで花粉症で悩まれている方や今までの治療ではなかなか効果があがらなかった方は一度当院までご相談ください。